低出生体重児で生まれるということ。
一般的な出産であれば、産後すぐに授乳もオムツ替えも
親が出来るのが当たり前です。
しかし、低出生体重児で出産し、子どもが保育器の中に
いる場合はその当たり前のことが出来ない。
私が産んだのに、この手に抱っこすることすら出来ない。
それがなんとも歯がゆいのです。
保育器の硬いアクリル、この壁は本当に分厚い!
でも、ついにその保育器を出る日がやってきました。
出産後13日目 保育器を出てベビーコットへ移動!
早いもので、娘が生まれてもうすぐで2週間。
いつものように電車とバスを乗り継いで病院に向かいました。
病院のGCUに到着。
保育器が並ぶ奥の方へ向かったものの、娘の姿がない!
保育器はいつも同じ場所にはありません。
娘の姿を探して、GCU中をウロウロ。
でも、娘がいない!
あれ? どこ? どこ? どこーーー???
保育器はたくさん並んでいるので、見落としたのかもしれない!
と、また探し回りました。
すると、奥から看護師さんが声をかけて下さいました。
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おはようございます。
お母さん、こちらですよ。
看護師さんが導く手の先を見ると…
ベビーコットがずらっと並んでいました。
え? ベビーコットということは…
もしかして♪ もしかして♪
生後13日目にして、ついに保育器から脱出だぁ~!!!
まだ退院できたわけではありません。
それでも嬉しく嬉しくて胸がつまりました。
出生2週間、ようやく出産時の体重に戻ってきた!
保育器の群れから離れ、ベビーコットが並ぶ一角へ。
遠目でもすぐに娘を見つけることが出来ました。
駆け寄ると娘はスヤスヤと眠っていました。
保育器のカバー越しじゃない。
手を伸ばせば触れることの出来る、目の前に。
ダメだぁ~
また泣きそうになりました。
年を取ると涙腺弱くなるって本当ですね。
「おめでと♪ 良かったね」
頬っぺに触れるとぷにぷにで気持ち良い。
ただ、管はまだ付いたまま。
ちょっと痛々しい…
もちろん、心拍数などをはかる機械もそのまま。
まだまだ安心できない証拠…
看護師さんから体重を聞くと1894g
ようやく出産時の体重近くに戻ってきました。
生後13日目 初めての抱っこに緊張&オロオロな私
生後13日目で1894gしかない娘。
ほんと、小さいです。
それでも保育器から出られたんだから元気ってことだ。
保育器の中だとアクリルの壁が立ちふさがっていて、近く
にいても寂しかったけど、今は違います。
すぐそばで娘の呼吸を感じることができ、温かい体温を
感じることも出来ます。
ただそれだけで、もう感動しっぱなし。
ずっと見てても飽きないなぁ♪
じんわり感動している私に看護さんが言いました。
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抱っこしても大丈夫ですよ。
うわぁ~ やっと来たぁ!!
やっとこの胸に抱っこできる♪
小さい小さい娘は柔らかくて、軟やわ。
首をしっかり支えて、初・抱っこ。
とても軽い。
けれど、とても重いと感じました。
胸で抱っこすると呼吸しているのがよく分かります。
でも、私の抱き方が良くない様子…
娘の心拍数が上がって、ブザーが鳴りっ放し!!
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ブザーが鳴りやみませんっっ
ど、ど、どうすればいいんでしょうか?
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リラックスしてください。
お母さんがリラックスしないと!
娘さんも緊張してしまいますよ。
リラックスと言われても、一体どうすれば?!
オロオロと慌てまくりな私。
どうすればリラックスしてくれるんだろう。
緊張してて、腕が硬すぎるのかな?
抱っこの角度がしんどくて呼吸が辛いとか?
急激に動かない方がいいと言われるので、少しずつ少しずつ
腕の角度を変えてみたり、揺りかごみたいゆっくりと動かして
みたり、話しかけてみたり。
けれど、非情にもブザーは鳴り響く…
ブザー音って何であんなに焦るんでしょう。
焦りで、私の方がガンガン心拍数あがりそうです。
お母さん、新米だからゴメンね。
すぐに慣れるから大丈夫だよ。
娘を抱っこ、嬉しさと戸惑いで胸がいっぱいになりました。
初めてのカンガルーケアで娘の
生後15日目にして、体重1974g
やっと生まれた時の体重を超えました!
でも、母乳もミルクもまだチューブで送り込んでいる状態。
娘は哺乳力が弱いそうです。
そのため、哺乳瓶での授乳はまだ一度も出来ていません。
出来れば、おっぱい大好き!になって欲しいけれど…
そんな贅沢は期待しません。
小さい体で頑張ってるんだから、もっともっとって思わない。
哺乳瓶の準備はOK!
ピジョンの母乳実感♪
搾乳器もピジョンだからそのままセット出来るのが良いです。
退院しても搾乳して哺乳瓶であげることになるかもしれない…
この日は待ちに待ったカンガルーケアの日。
カンガルーケアしやすいように前開きのワンピース。
カンガルーケアでの抱っこ時間は2時間ほど。
始まる前に必ず、トイレは済ませておくよう言われました。
GCUの室内は赤ちゃんに合わせてるため、暑いなと感じる室温。
カーテンで仕切られたスペースに案内され、リクライニングチェアへ。
暫くすると、看護師さんが娘を連れてきて下さいました。
残念だけれど、カンガルーケア中もたくさんの管は付いたまま。
小さな体を胸に抱く。
軽い。
そして、暖かい。
呼吸に合わせて少し体が動くのが伝わってくる。
ピタっと私の胸の上に張り付いているみたい♪
可愛い。
とてつもなく可愛い。
お猿さんでも、ガッツさんでも、可愛い!!
リラックスしてくれてるのか、心拍は安定。
ブザー音が鳴り響くことなく、私もリラックス出来ました。
2時間も抱っこなら途中眠たくなるかもと思っていたけれど、
そんなことは無かったです。
ただ眠っているだけなのに、見ていて飽きないものですね。
でも、2000gもない体重でもずっと抱っこしていると徐々に重みが…
リクライニングチェアで心地良い体勢でも、娘の体重でじわじわと
重みが増していく。
そんな中、看護師さんがやってきました。
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ちょっとお話よろしいですか?
実は、転院をお願いしたいんです。
転院先は娘を出産した病院。
バックトランスファー(逆搬送)というそうです。
まさか戻るとは思っていなかったのでビックリ!
しかも、バックトランスファー(逆搬送)は2日後。
とても急な話で更にビックリ!!
NICU、GCUに入院してくる赤ちゃんはとても多いのです。
我が子が早産でお世話になり、初めて知りました。
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急ですみません。
大人の事情なんです。
看護師さんは言葉を濁すようにおっしゃっていました。
要は、娘は小さく生まれただけ。
特に健康面は問題ない。
だから、申し訳ないんですが出てって欲しいんです~ってことらしい。
まだ2000gもないのに、また車移動なんてちょっと可哀想な気がする。
でも、この病院を待っている赤ちゃんがたくさんいるんだから、仕方ないね。
またあの病院へ帰ろっか♪